FANATEC GT WORLD CHALLENGE ASIA Powered by AWS FUJI [REPORT]
2023/06/17-18
昨シーズン、PLUS with BMW M Team Studie がフル参戦したGT World Challenge Asia JAPAN カップ。2023シーズンはPLUS with BMW M Team Studie の5号車に加え、片野田洋介監督率いるYZ RACING with BMW M Team Studie がM4GT4の50号車でエントリー。
5号車は昨シーズンから引き続き山口選手/荒選手のコンビ、50号車は織戸学選手と加納政樹選手のGT ドライバー2人が担当する。フジスピードウェイのPIT にはBMW M Team Studie がサポートするM4GT3とM4GT4が並んだ。
【予選】
このレースの予選は土曜日に2レース分を開催。Q1は50号車M4GT4が加納選手、5号車M4GT3は山口選手が担当した。予選はクラス別にQ1、Q2を続けて実施。先に行われたGT4クラスでは加納選手、織戸選手共にTOP タイムを記録。レース1、レース2ともにクラスのポールポジションを獲得した。
続けて行われたGT3クラスの予選では、山口選手、荒選手共に7 番手タイムを記録。各メーカーが擁するファクトリードライバーがしのぎを削り、1秒の中22台ものマシンがひしめく接戦をシングルポジションで終えた。
【決勝:レース1】
決勝は14:30にスタート。5号車M4GT3を駆る山口選手はオープニングラップの1コーナーでポジションアップ。危なげない走りで7 番グリッドから5番手に付くと、手堅い走りで周回を積み重ねていった。GT4クラスのポールポジションからスタートした50号車M4GT4の加納選手も完璧なスタート。序盤にGT3をもオーバーテイクし、ルーティンのPIT タイミングを迎えた。
このレースはレーススタート後25分~35分の間(ピットウィンド)にドライバー交代を伴うPIT INを行わなければならないルール。チームはPITウィンドウが開くと同時に山口選手を呼び込み、5号車M4GT3は荒選手のドライブでコースに復帰した。50号車も5号車がPITを済ませた次の周回にPIT IN。織戸選手がステアリングを握り、後半スティントへ向かった。
GT3の上位陣がすべてPIT を終えた時点の荒選手のポジションは5番手。ペースの上がらないAudiにアウトから並びかけオーバーテイクを狙ったが、インから膨らんできたAudiに接触され、右フロントにダメージ。一旦マシンをPITに戻しダメージを確認。タイヤを交換するとマシンをコースに復帰させたが、5号車は再びPITへ。このレースをリタイヤで終えた。
一方の50号車、織戸選手が駆るM4GT4は後半スティントも全く危なげない走りで周回を重ね、そのままチェッカー。チームのデビュー戦をポールトゥウィンで飾った。
【決勝:レース2】
日曜日のレースは12時にスタート。荒選手が乗車する5 号車M4GT3は前日と同じ7番グリッドに、織戸選手が乗車する50号車M4GT4も前日と同じクラスのポールポジションに着いた。
1周のフォーメーショランプを経てレーススタート。オープニングラップで5 号車はポジションを2つダウン、50号車はクラストップをキープするも、直後にセーフティーカー導入。
レースはセーフティーカー先導で序盤の周回を重ねた。3周目リスタート。荒選手は順調な走りを見せていたが、5周目にミッションのギアがかみ合わないトラブルが発生し12番手までポジションを落とした。更にこのタイミングでGT3車両の大クラッシュが発生。再びセーフティーカーが導入され、5号車はポジション回復が出来ぬままルーティンのPITストップを迎えた。
一方、序盤からペースを維持し、不動のクラストップを守っていた50号車にもトラブルが発生。2度目のセーフティーカー中にエンジンがストールしてしまい、ポジションを2つ下げてルーティンのPITストップ時間を迎えた。
先にPITに入ったのは50号車。前日のレースのサクセスペナルティ15秒を消化し、加納選手のドライブでコースに復帰した。荒選手が駆る5号車M4GT3はタイミングをずらしルーティンのPIT INを実施。M4GT3は山口選手のドライブでコースに復帰した。
上位陣が次々にPITに入りレースの状況が見え始めた頃、5号車に再びギアトラブルが発生。失速したM4GT3はライバルのオーバーテイクを許し、ポジションを大きく下げてしまった。
同じタイミングで50号車M4GT4にもトラブルが発生。前半スティント同様のエンジンストールを繰り返し、システム再起動後も症状は改善しない事からリタイヤを決断したが、セーフティカー中の違反を理由に黒旗が掲示。50号車はこのレースを終えた。
セーフティーカーは23周目に戻りレース再開。山口選手は再開時の12番手から翌24周目には9番手、25周目には7番手、26周目には5番手とポジションを上げ続けた。レースは27周目にチェッカー。山口選手のM4GT3は総合4位、GT3のプロアマクラス3位でこのレースを終えた。