Round 7 : Fuji
2019 Blancpain GT World Challenge Asia Rd.7 FUJI SPEED WAY
ライバルのラフプレーで表彰台を逃したレース1。格の違う速さを見せつけたレース2。両極端な結果を残した鈴鹿戦から2週間。舞台はついにBMW Team Studieのホームコースへ。
今シーズン出走のなかった82号車もエントリーし、チームは2台体制でこのFUJI SPEED WAY戦に挑んだ。FUJI戦のスケジュールは通常どおり。金曜日は練習走行2本、土曜日は練習走行と予選1・2、そしてRd.7の決勝。日曜日はRd.8の決勝のみが行われる。
金曜日の練習走行セッションでは、性能調整で指定を受けた最もアンダーパワーのエンジンマップに苦しみながら走行。スリップストリームを使ってさえ、昨年比-6Km/hのTOPスピードは、ストレートが長いこのコースでタイムへ如実に影響を及ぼし、81号車は2つのセッションを2番手で終えた。一方の82号車はマシンへの習熟度を上げ、ノントラブルでセッションを終えた。
土曜の朝は小雨。路面は軽い水煙が上がる程度のウェットコンディションで練習走行が行われた。チームはウェットコンディション下のセットアップを確認。81号車・82号車共、トラブルなくセッションを終えた。
公式予選1
雨は上がり曇天ながら路面コンディションはドライアップ。81号車は木下選手、82号車は梅田選手のドライブでコースインした。2台は計測1周目でタイヤをウォームアップ。計測2周目からアタックを開始した。性能調整でTOPスピードが伸びない2台は、スリップストリームを使い、ストレートスピードを伸ばす作戦を実施。木下選手は計測2周目に1:50.519のTOPタイムを記録。続く3周目はベスト更新ならず、チームはタイヤ温存優先で81号車をPITに戻した。梅田選手の82号車は計測4周目に1:53.896を記録。6番手で予選を終えた。
公式予選2
Q2は81号車が砂子選手、82号車は井田選手が担当。2台はQ1同様コースオープンと同時にコースインすると、タイヤを温めてアタック開始。砂子選手はアタックラップ前の計測1周目からTOPタイムを記録すると、計測3周目に1:50.655でベストを更新。ポールポジション確実と見たチームは、砂子選手をPITに戻した。一方の井田選手は周を追う毎にベストを更新。1:53.260を記録し予選を終えた。
Rd.7決勝
時々雨粒が落ちるものの、決勝時の路面コンディションはドライ。GT4クラスのポールポジションには木下選手の81号車が、6番グリッドには梅田選手の82号車が並んだ。
フォーメーションラップはオンタイムで開始されたが、その最中に82号車前方のライバル2台がスピンして接触。梅田選手はスタート前にポジションを2つ上げ、4番手でレーススタートのコントロールラインを通過した。木下選手の81号車はTOPポジションをキープ。スタート直後の混乱に巻き込まれることなく、クラス違いのGT3をも次々にオーバーテイクすると、後続に対し序盤からギャップを拡大していった。一方、82号車は4番手からポジション後退。PITウィンドーオープンと同時にチームが梅田選手を呼び込むと、6番手ポジションでPITへ向かった。
82号車はスポット参戦初戦に課せられる規定のPITストップ時間+7秒の停車時間を消化。ドライバー交代で井田選手が乗り込み、コースへ復帰した。
チームは続いて木下選手にPITインを指示。81号車は鈴鹿戦の勝利に対して課せられた15秒のサクセスペナルティを消化すると、ドライバー交代を終え、砂子選手のドライブでコースに向かった。
アウトラップの81号車の前にはライバル77号車。PITストップ時間の違いで前を許したが、砂子選手はこれをオーバーテイクするべく猛追。周を追う毎にギャップを縮めると、残り15分時点では1.4秒まで肉薄した。
その頃、井田選手の82号車はタイヤの大幅なグリップダウンに苦戦。暴れるマシンをなだめるような我慢のドライブを強いられながら後半スティントの周回を重ね、6位完走でポイントを獲得した。
一方、81号車はライバルをオーバーテイクするまであと一歩。砂子選手は幾度となくライバルの前を伺うが、悪いタイミングでGT3勢が後ろから迫り、前に出ることが出来ない。砂子選手は最後までライバルのポジションを脅かしたが、オーバーテイクには至らず、81号車は2位でチェッカーを受けた。
鈴木康昭 チーム代表兼監督
大きなクラッシュやトラブルではないものの、ここまで小さな不運が度重なるレースも非常に珍しいです。不慣れなGT3に蓋をされギャップを失ったり、何度も何度もTOPに近づく度に間にGT3カーに入られ、またしてもギャップを拡げられる展開は(皆さんもそうでしょうが)非常にストレスの溜まるものでしたね。明日はこのイライラを一気に解消出来るレースを目指します。応援有難うございました。
81号車 木下隆之選手
スタート直後は結構抜きましたよ。GT3をね。GT4のAMGにスリップを使われると厄介なので、スタート直後の混乱で引き離すしかありませんでしたが、それも決まりました。中盤に、GT3とのバトルになってタイムロスがちょっと痛かったけど、ベテラン技を発揮できたと思っています。チームがしっかりマシンを作り込んでくれたので、感謝しています。
81号車 砂子選手
我々にとってアンラッキーな巡り合わせでした。77号車とのパフォーマンス、タイヤは互角。詰めたいセクター3でGT3に絡み、追い詰めるに至りませんでした。明日は必ずなんとかします。