Round 3 : Thailand

2019 Blancpain GT World Challenge Asia

2戦連続完全勝利のポールトゥウィン。シーズン開幕のSepang戦を最高のカタチで制したBMW Team Studieは、次の戦いの舞台Chang International CircuitがあるThailandに到着。M4GT4のデビューイヤーだった昨シーズン、思わぬ高温に苦しめられたThaiラウンドだけに、チームは万端の準備を整えレースウィークに挑んだ。

今回のラウンドは、金曜から走行が始まるシリーズの通常スケジュール。金曜の練習走行セッション2回目には、Wetコンディションでのセッションを初走行。セットアップの確認も全て完了し、公式予選とレース1の土曜日を迎えた。

公式予選1

クラス別に行われる公式予選はオンタイムスタート。土曜日決勝のスタートドライバーを兼務するQ1ドライバーは、木下選手が担当した。チームはタイヤマネージメントを考慮しウェイティングを選択。コースオープンから6分間経過した時点で木下選手を送り出した。木下選手は計測1周目に3番手、計測2周目に2番手タイムを記録すると、計測3周目に1:44.358でTOPタイムを記録。ポールポジション獲得を確信したチームは木下選手をPITに呼び戻しこの予選の走行を終了。木下選手はTOPでQ1を終えた。

公式予選2

Q2は砂子選手が担当。このセッションではウェイティングすること無くマシンを送り出した。砂子選手は計測1周目にその時点のTOPタイムを計測すると、続く計測2周目に1:44.186を記録。このタイムでQ2もポールポジション確実と思われたが、最終コーナーの4輪脱輪で同タイムが抹消。その後もアタックを継続したが、タイムが思うように伸びず1:44.759の2番手タイムでQ2を終えた。

 

 

Rd.3決勝

GT3/GT4混走で行われる決勝は定刻どおりのスケジュールで進行。天候も心配されたが、雲間から日が差すドライコンディションのもと木下選手はマシンをポールポジションにつけた。
15:30フォーメーションラップ開始。隊列を率いたセーフティーカーがPITロードに向かうとシグナルグリーンでレースはスタートした。GT4クラスのリーダー木下選手は、クリーンなスタートでコントロールラインを通過。1周目通過時点で約1秒のギャップを築くと、タイヤマネージメントに留意しつつも2周目には2秒、7周目には3秒と後続を徐々に引き離す展開となった。レーススタートから25分。規定のPIT作業を行うPITウィンドーがオープン。チームは16周目のコントロールライン通過時に木下選手をPITに呼び込むと、規定のドライバーチェンジを実施。前戦1位Finishへ課されるサクセスペナルティ15秒を消化した81号車は、砂子選手のドライブでコースに復帰した。

この時、81号車の見かけ上のポジションは3番手。GT4クラスTOPはまだ規定のPITストップを終えておらず、後半は2番手からの追い上げになるかと思われたが、TOPのペースが良く砂子選手は3番手から前を狙う展開となった。

隊列が整った20周目の2番手マシンとのギャップは3.4秒。砂子選手は徐々にその差を詰めると24周目にオーバーテイク。ポジションを2番手に上げた。レースは残り12分。目の前のTOPとのギャップはわずか1.4秒程度。砂子選手は更にギャップを詰め、0.8秒差まで肉薄するが、左フロントタイヤのグリップダウンでギャップが埋まらない。
ファイナルラップまでTOPを脅かし続けたが、オーバーテイクには至らず、2位Finishでこのレースを終えた。

 

 

鈴木康昭 チーム代表兼監督

あと一歩届きませんでした。前戦の優勝によるサクセスペナルティは15秒でしたが、今回勝利した#77AMGも前回の準優勝チームでしたから、彼らとの差はわずか5秒。それをひっくり返せなかった悔しさは正直あります。左フロントタイヤの消耗が予想以上にキツかった事が要因でしたが、明日はキチンとその対策をして勝利をもぎ取りたいと思います。引き続き応援宜しくお願い致します。

 

81号車 木下隆之選手

予選はアタックが完璧に決まり、ポールを獲得しました。このサーキットがAMGに合っている中でのポールは価値があると思っています。ですが、決勝スタート直前に気温と路面温度が今週最高値に達したことが気がかりでした。後半のタイヤグリップ低下が心配されていたのです。ですので、序盤からタイヤを温存しながら攻め続けたことで、完璧な状態でステアリングを渡すことができたと思います。でも15秒のサクセスハンディキャップに泣かされましたね。

 

81号車 砂子選手

ピットアウト後、#77は目視で確認出来る距離でした。射程距離内とは思っていましたが、後半左フロントタイヤのグリップダウンが厳しく、もう一歩届きませんでした。明日は対策済みなので勝てる事でしょう。