【決勝】第4戦|菅生

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決勝10位で貴重なポイントを奪取

午前のウォームアップ走行は霧雨。スリックタイヤを履いてレーストラックへ出るも、路面はウェット。最終コーナーなどところどころスリックでは対応できず、すぐにピットイン。レインタイヤに交換した。そのまま、レインタイヤで走行。決勝に向けて確認しておきたかったメニューをこなせず、ある程度想定してはいたものの、決勝レースはぶっつけ本番の要素を残すことになった。

14時決勝スタート。スタートドライバーを務めたヨルグ・ミューラー選手は、17番手の位置から四方を取り囲まれた状態でコントロールラインを通過。装着したタイヤは予選Q1で使ったものだ。最初のコーナーをアウトから侵入し、鮮やかなライン取りで先行車を次々パス。次にコントロールラインへ戻ってきたときには、いきなり12番手の位置にジャンプアップしていた。ヨルグ・ミューラー選手は混戦になればなるほど躍動する。

しかし、いったん隊列が決まってしまうと、そこから前に進むのは容易ではなかった。7周目にはトップとの差は13秒に開く。ひとまず、前を行くNo.360 のGT-Rに集中する。21周目には0.6秒差にまで詰め寄るが、23周目にクラッシュしたマシンの影響でコーストラックにセーフティカーが入ってしまう。

このセーフティカーがレーストラック上から去った28周目。チームはピットインを決断。レギュレーションにより、今シーズンからはセーフティカーがコースに入るとピットインできなくなった。昨シーズンは、ここスポーツランドSUGOのピットレーンが大渋滞してほとんどのマシンがコースに出られない異常事態になっている。29周目にピットに入って給油し、4輪ともフレッシュなタイヤを履いた荒 聖治選2手がコースに戻った。

まだ一度もピットインしていないマシンがある中、30周目に19番手まで回復。32周目には14番手、40周目には13番手、41周目には12番手、50周目には11番手と、荒 聖治選手は1分21秒台のタイムをコンスタントにマークしてポジションを上げる。そして迎えた52周目、ついにポイント圏内の10番手となる。

荒 聖治選手のペースが落ちない。GT500のパッシングをやり過ごす場面を除けば、ほぼ1分21秒台を連発した。さらに上を目指す71周目、GT300のマシンが最終コーナーでクラッシュしてレースは赤旗中断。レースは再開されず、この時点でフィニッシュとの裁定が下る。

最適なセットアップがつかめずに奮わなかった予選こそ低調だったが、チーム本来の勝負強さにより、苦戦が想定されたスポーツランドSUGOで手堅くポイントを獲得できた。続く富士スピードウェイや鈴鹿サーキットへ向け、勝利を求めてチームはすでに再始動を開始した。

ヨルグ・ミューラー選手

「17番グリッドからスタートしてリザルトは10位。1ポイント獲れた決勝レースは上出来だったんじゃないかな。とってもハッピーだよ。スタートラップのジャンプアップ? あれは幸運だったね。フロントタイヤのグリップがあるうちに勝負かけたのが功を奏したよ」

荒 聖治選手

「予選では苦労しましたが、決勝レースではいろいろと試すことができました。タイヤ選択の方向性が見えてきたので、それを軸にクルマを仕上げていけるのではと思っています。富士スピードウェイ、そして鈴鹿サーキットと、夏のレースはシッカリ闘いたいですね」

鈴木康昭チーム代表兼監督

「1年で最も苦労すると分かっていた菅生とはいえ、予選が悪かったのがすべてかな。ところが決勝レースは内容がとてもよくて、8位までは見えるところまで行けたのに、赤旗中断だけはアンラッキーでした。