【予選】第6戦|鈴鹿

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予期せぬ点火系トラブルに見舞われて予選20位となる

不完全燃焼となった第5戦の富士スピードウェイから3週間。トラブルの主因であるオーバーヒートに完璧な熱対策を施して鈴鹿サーキットへ乗り込んだ。2013年に3位、2014年に2位と結果を残している1000キロだけにチームの士気は高い。何よりサードドライバーにBMWモータースポーツのファクトリードライバーにして現役DTMドライバーのアウグスト・ファルフスを迎えている。ヨルグ・ミューラー、荒 聖治、アウグスト・ファルフスという贅沢な布陣をベースに綿密なテストメニューを組んで予選日に挑んだ。

ところが、その練習走行で新たなトラブルに見舞われる。ヨルグ・ミューラー選手がサーキットに出てすぐ「アフターファイヤーが出ている」と無線で報告。最新のBOP(バランス・オブ・パワー:性能調整のこと)により大きくパワーを絞られてしまったとはいえ、その力強さは本来の姿とは程遠い。

すぐさまピットインして、BMWモータースポーツのエンジニアとともにトラブルシューティングを急ぐ。解決策をトライしてチェックのためにサーキットに出る。これを繰り返すうち、点火系の異常であることが判明。スパークプラグ、イグニッションコイルを交換するも、スペアパーツの手配に時間を費やしてしまい、公式練習はヨルグ・ミューラー選手とアウグスト・ファルフス選手が数周ずつラップしたのに止まる。予選や決勝に備えて予定していたテストメニューを一項目もこなすことなく終了。前戦に続き、またもやいきなり予選本番を迎えることになってしまった。

予選Q1に、荒 聖治選手を投入することを鈴木康昭チーム代表兼監督は決断。まだラップを重ねられていない事情もあり、Q1スタート直後にコースに出る。まずはタイヤが温まったところで2分0秒654。好感触を得る荒 聖治選手とチーム。そして、渾身のタイムアタックに挑む。その直後のことだった、ステアリングのインジケーターにアラートが表示されエンジンストップ。赤旗中断を避けられるエスケープゾーンまでNo.7 Studie BMW M6を空走させる荒 聖治選手。ここで停止して再起動を図るもタイムアップ。Q1敗退が決まり、決勝レースは20番グリッドからのスタートとなってしまった。

前戦に引き続き、チームを応援するすべての人にフラストレーションを感じさせる予選結果となってしまったものの、決勝ディスタンスは1000キロ。巻き返すチャンスはある。チームは3年連続表彰台を目指して前進する。

ヨルグ・ミューラー選手

「今日はツキがなかったね。予期せずメカニカルトラブルがあったけど、ボクらチームスタディは絶対に諦めないからね。それはみんなが知っていると思う。これからトラブルを解消して明日の決勝に向けてしっかり準備するつもり。鈴鹿サーキットはテクニカルなコースなので十分にチャンスはあると思っている。だから、僕はとってもポジティブでいられるんだ」

荒 聖治選手

「ちょっと流れが悪かったですね。良いパフォーマンスを発揮できなかった土曜日になってしまいました。でも、決勝は諦めないでいくだけです。レースは何があるかわからないし、とにかく上を目指して全力で行くだけです」

アウグスト・ファルフス選手

「思いがけないトラブルがあったね。でも僕はこのチームとチームメイトを信じてるんだ。明日のレースは長距離だから巧くやれるはず。多少残念なこともあったにせよ、それもレース。決勝ではベストを尽くせると信じてるよ」

鈴木康昭チーム代表兼監督

「前戦と同じような展開。公式練習を走られなかったことが予選結果に直結してしまいました。点火系のトラブルでしたが、メカニックたちは予選までによくぞ修復してくれたと思います。ただ、実力が各チームとも拮抗する中で、公式練習を走らないで予選を通過できるほどGT300は甘くありませんね。とはいえ、1周の速さと決勝を通しての速さはまた違ったものです。鈴鹿は1000kmの長丁場なので、予選順位の影響は他のレースほど深刻ではありません。諦めずに決勝に挑みたいと思います」